SL内房100周年記念号 試運転開始
今月の10日(金)〜12日(日)にかけて運転される予定の「SL内房100周年記念号」の試運転が今日から始まった。
運転区間は3年前に運転された「SL春さきどり号」と同じ、内房線の木更津から京葉線の千葉みなとを毎日1往復する。試運転は基本的に本運転と同じ区間、同じ時刻で行われるようだ。
千葉みなとに10分前に到着すると、すでに多くのファンが待機していた。幸いホームの先端付近が混雑しているだけで、中程は空いていたので難なく場所を確保して列車の到着を待つ。
そして11:51、DE10-1704に引かれて旧型客車とC61-20がやってきた。
到着後すぐに後続の各駅停車が滑り込む。製造からウン十年の機関車や旧型客車と去年製造されたばかりの新型車両の共演。
各駅停車をやり過ごす間に機関車の前に回り込む。C61-20を撮るのはこれが初めてだ。
C61-20の前照灯の横には、C57-180やD51-498にはない補助灯が付けられている。
なんでも交流電化区間では電圧が高いために、架線に近い前照灯の玉切れのリスクが高いらしく、北海道、東北、九州など交流電化区間がある地域を走っていた機関車にはこのような補助灯が取り付けられていたそうだ。
運転台では発車に向けて色々と準備が進められているようだ。
最近の電車とは大違いのアナログ感がいい。
千葉みなとでは折り返しで1時間近く止まっているので、混んでいるところでも少し待てば撮れるのでまったりと撮影できた。
それにしても確かにそれなりの人出はあったが、それに対して過剰と思えるほどの駅員と警備員の人数であった。まぁ最近トラブルも増えてきているし、予防という意味では仕方のないことなのだろう。
十分撮影したところで再び京葉線に乗って蘇我へ先回り。
復路の蘇我では、往路を牽引してきたDE10の切り離し作業がある関係で15分ほど停車する。
そのため直前の電車で向かっても間に合ったのだが、千葉みなとの混み方から早めに行ったほうがよいと思ってもう1本前にしたのだが、蘇我〜浜野の直前にはすでに多くの人が来ていて、撮影できる場所はほとんど残っていなかった。
なんとか人のあいだから撮影できそうなところを見つけて暫し待つ。沿道には同業者以外に地元の方も結構来ていた。
しかし時間になってもSLはやって来ない。蘇我に到着したタイミングで汽笛は聞こえていたので、蘇我でなんらかのトラブルがあったのだろうか。結局約6分遅れで蘇我を出たようだ。
ものすごい量の煙を吐きながらグングンと加速していっていた。
この直後に上り列車が現れ、危うく被られてしまうところだった。
遅れてきたせいで蘇我まで戻る時間も削られてしまい、酸欠になりながらもなんとか予定の電車に乗ることができた。
次にやってきたのは姉ケ崎駅。ここでは79分も止まっているのでゆっくりと撮影が楽しめる。
運転席を横から。所属札のところには千葉という意味なのだろうか、「千」が入れられていた。
姉ケ崎では本線である1番線に止まるので、SL停車中に来る定期列車は2番線発着となる。
おかげで沿道から撮りやすいのだが、これのために1番線着にしているのだろうか。
少し前のほうに行けばキレイに駅の発車シーンが撮影できそうだ。
また駅の改札を入ってすぐのところにある窓からは客車とSLを見下ろすことができる。
比較的機関車までの距離も近いので、煙の立ち上る様子も観察できるだろう。
再び移動して今度は袖ヶ浦で下車。
駅から歩いて15分ほどのところにある有名撮影地へ向かったのだが、着いてみるとすでに150人近くがカメラを構えていた。
そのあともどんどん人が増えていき、最終的に200人近くいたように思えた。
15:22、今度は遅れずに時間通りやってきた。煙も程よく吐いている。
ただ順光ではあったのだが、思ったよりサイドに日が当たらなかった。本運転の頃には少し日が長くなっているはずなのでもう少し当たるかもしれない。
C61-20のアップ。撮影のときはそこまで気にならなかったが、もう少ししゃがんで手前の電線を回避すべきだった。
撮影ポイントにかかるあたりで汽笛を鳴らして運転士の方が手を振っていた。
そして盛り土区間を快調に走り去って行った。
今回のダイヤでは途中駅での停車時間が長いので、車でなくとも簡単に追いかけて撮ることができる。
想像していたよりは人が多かったが、平日ということもあってか終始のんびりと撮影ができてよかった。都合がつけばまた来たいものだ。