ANA機体メンテナンスセンターを見学してきた
数ある社会科見学の中でも人気の高い飛行機の機体整備工場見学。
普段はなかなか近づけない飛行機のすぐそばまで行くことができるので、大きいながらも繊細な飛行機を間近で感じられる迫力が醍醐味だろう。
羽田空港ではJALとANAがほぼ毎日、1日4回ずつ行っているが、6ヶ月先の予約開始日までほとんどの日が満員になっているほどの盛況ぶりだ。
半年先の予定を確定するのはなかなか難しい。しかし必ず取れないかと言えばそうではない。
たまにキャンセルが出るので、根気よく見ていれば大人数は難しくても、数人のグループであれば捻り込めることがあるのだ。
最近はチェックしていなかったのだが、今月はじめに確認したところANAで若干名の空きがある日があった。ちょうど予定のない日だったので即予約。
自分が予約した直後に満員表示になっていたので1人分だったのだろう。運が良かった。
機体整備工場へは新整備場駅から
JAL、ANAともに機体整備工場の最寄り駅は羽田空港駅ではなく、東京モノレールの「新整備場駅」となる。羽田空港国際線ビル駅と羽田空港第1ビル駅の間に位置する。
日中は12分間隔の各駅停車のみが停車し、区間快速と空港快速は通過する。
空港ターミナルと間違えて降りる人がいるのか、至る所に空港ターミナルではないという野良サインが設置されている。
ホームはは誘導路の直下にあり、出口まで3分くらいかかる。
ここまで空港ターミナルビルから歩いてくることもできるが、それは別記事にて紹介する。(現在執筆中)
歩道のマンホールに目をやると「航空局」という見慣れないロゴ。
管轄が自治体ではなく国土交通省航空局のようだ。
JALの機体整備工場はこの交差点からすぐのところだが、ANAは奥に見える橋の先となる。
橋を上りきると遠くのほうにANAの建物が見えてくる。
空港施設なので1つ1つの敷地が大きい。
駅から10分ほどで会場入口となるコンポーネントメンテナンスビルに到着する。
第2ターミナルからの京急バス空72系統が通る「西新整備場」バス停が近くにあるが、1時間に1本しかないので時刻に注意。
建物内の写真は掲載許可済み
ANAの建物内は映像や音声の記録は禁止されているが、写真は自由に撮ることができる。
ただし、写真をネット上にアップする場合は使用範囲を明らかにした上で、見学担当者へ使用する写真を送って許可をもらう必要がある。
基準は公表されていないが、この記事に使う用に64枚送ったうちの3割ほど許可が下りず、記事の一部で写真が少なめで伝わりづらい部分があるがご了承願いたい。
受付を済ませてお話会場へ
建物を入ってすぐ左手に受付がある。
インターネットで申し込みの場合は、登録したメールアドレス宛に入館証が届くので、印刷して必要事項を記入したものを提出する。
代わりに首から下げる日時入りの入館証とパンフレットが貰えるので、受け取ったら奥の「お話会場」へと進む。
パンフレットの後ろのページには「お話会場」にあるスタンプを押すスペースがあるので、空き時間に押しておこう。
会場左手には過去の特別塗装機の模型や、各パーツの展示がある。
ANAの特別塗装機といえば、下段の機体全体に大きなクジラを描いた「マリンジャンボ」が印象に強い。
航空機に取り付けられているVHFアンテナや、素材ごとの重さの違いを実際に触って比べることができる。
飛行機の構造を支えるストリンガー (縦通材) の製造過程。
厚さ1mm強しかない外板の強度をこれで補っている。
従来の素材と、最新鋭のB787で使われている炭素繊維の比較。
本当にこんなもので大丈夫なのか心配になるくらい軽い。
これがB787の航続距離や燃費に大きく貢献している。
最初は座学
時間になると簡単なスタッフの紹介のあとに映像が流され、その後に数問のクイズが出された。
JALが飛行機の飛ぶ仕組みなどにスポットを当てているのに対して、ANAは飛行機の歴史を中心としたものであった。全問正解者には記念品も。
ちなみに映像を流している最中に全員へ記念品の配布があり、この日は整備時の安全のために付けたカバー等の外し忘れを防止するための赤い「REMOVE BEFORE FLIHT」フラッグをモチーフにしたANAカラーのストラップだった。
機体整備工場エリアへ移動
40分ほどで一旦トイレ休憩となり、ここから先は全員同時に案内できないので、いくつかのグループに分けられた。機体整備工場内に見学者が使えるトイレはないので、このタイミングで済ませておく必要がある。
JALは座っている位置で適当に区分していたが、ANAでは1組ずつ代表者の名前が呼ばれるので、呼ばれたらお話会場を出発する方式だ。
青いヘルメットを受け取ってエレベータで3階へ上がり、先ほど駅から歩いてきたときに見えていた連絡通路で道路を越えて整備工場のある建物へ。
ANAカラーの引かれた廊下を進むと、途中に社員食堂があった。
さすがEdyを先進的に取り入れた企業だけあって、社員スペースでもちゃんと使えるようになっているようだ。
見学者はここの前を通過するだけなので、食堂の利用はできない。
社員食堂を過ぎると、いよいよ待望の機体整備工場エリア (ハンガー) となる。